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中国人の帰化申請

中国人の帰化申請

中国は近隣の国ということもあり、日本での留学、就労、結婚など、長期間日本に滞在する方も多く、その後日本国籍の取得を考える中国人の方も少なくありません。中国からの帰化許可数は2018年が3,025人、2019年が2,374人、2020年が2,881人となっています。中国人が帰化するためにはどういった条件を満たしていればよいのでしょうか。今回は中国人の帰化申請についてみていきたいと思います。

中国から本国書類を取得する

中国人が帰化申請するためには、中国本土から本国書類を取り寄せる必要があります。本国書類は中国本土の「公証処」で取得します。申請人本人が中国まで帰ることが出来ない場合は、両親や親族に代理で取得してもらうことも出来ます。取得する本国書類は次のものになります。

「中国からの本国書類」
・出生公証書(本人・両親・兄弟姉妹・子)
・婚姻公証書(本人・両親)
・離婚公証書(本人・両親)
・死亡公証書(父母が無くなっている場合)

本国書類には全て日本語翻訳文が必要になります。

領事証明

帰化申請をする場合、通常国籍証明書を提出する必要があります。国籍証明書があることで日本で帰化が許可された際、元の国の国籍を離脱することが出来ます。中国人の場合、数年前まで国籍公証書を提出していましたが、現在では「領事証明」を提出することになります。

領事証明は駐日中国大使館・領事館で取得することが可能です。

「必要書類」
1. パスポート及び写真ページのコピー
2. 住民票原本(3ヶ月以内有効)
3. 他の人(代理人)が代理申請する際,代理人の有効な身分証明及び公証した委託書
4. 申請事項に関係する証明資料
5. 申請表

※詳細は駐日中国大使館・領事館にお問い合わせ下さい。

中国人の帰化条件

中国人の帰化の条件について説明致します。

帰化の条件は国籍法に記されています。国籍法第1条に「日本国民たる要件は、この法律の定めるところによる」と記されており、第5条に「法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない」と帰化の条件を列挙しています。列挙されている6つの条件に、日本語能力をプラスした「7つの条件」について説明していきます。

①住居条件(国籍法第5条第1項第1号)

引き続き五年以上日本に住所を有すること。

帰化の申請をする時まで、引き続き5年以上日本に住み続けている必要があります。引き続き5年間とは継続していることを意味し、一旦途切れてしますと期間がリセットされてしまいます。途切れてしまう場合とは、例えば在留資格が切れ、一旦帰国してしまうようなパターンです。また、1度の出国日数が3ヵ月を超えたり、1年間のトータル出国日数が100日を超えてしまうような場合も「引き続き」が認められず、期間がリセットされる場合があります。

「3年以上の就労期間」
引き続き5年以上日本に在留しているだけでは帰化を認められません。5年間の在留期間の中身として、3年以上の就労期間が必要になります。この場合の就労は、就労ビザを持って正社員や契約社員として働いていることです。留学生でのアルバイト期間など就労期間には含まれません。

<例>
◇留学ビザ2年 + 就労ビザ3年 〇
◇留学ビザ3年 + 就労ビザ2年 × (あと1年就労期間が必要)
※引き続き10年以上日本に住んでいる場合、就労期間が1年以上あれば条件を満たします。

②能力条件(国籍法第5条第1項第2号)

二十歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。

年齢が20歳以上であって、かつ、本国の法律によっても成人の年齢に達していることが必要です。ただし、未成年の子が両親と一緒に帰化申請をする場合は、20歳未満でも帰化が可能になります。
※2022年4月1日からは成人年齢が18歳に引き下げられます。

③素行条件(国籍法第5条第1項第3号)

素行が善良であること。

素行が善良である必要があります。素行が善良であるかどうかは、犯罪歴の有無や態様、納税状況などを総合的に考慮して、通常人を基準として、社会通念によって判断されることとなります。素行について、詳しく説明していきます。

税金

住民税に未納があると許可はおりません。会社員の方で給料から天引きされていれば問題ありませんが、個人で支払っている方や確定申告をされている方は注意が必要です。また、帰化申請をする本人だけでなく、同居のご家族の納税状況もチェックされますのでご注意ください。未納がある方は支払いをすませてから申請をしましょう。

年金

年金に未納があると許可はおりません。会社からの天引きで厚生年金に加入されている方は問題ありませんが、国民年金を個人で支払っている方は注意が必要です。未納がある方は支払いをすませてから申請をしましょう。少なくとも直近1年分の納付は必要になります。

交通違反

違反や事故の回数、程度によっては許可がおりません。軽微な交通違反でも、繰り返し違反を犯していると申請を受け付けられないこともあります。何年間も申請を待つよう言われるケースもあります。ドライバーの方は注意が必要です。

犯罪歴

過去に犯罪歴があるような場合、素行条件に問題があると判断されます。

税金の滞納や年金の未納、過去の犯罪歴や交通違反など、素行条件を満たしていない場合、日本国籍は与えられません。

④生計条件(国籍法第5条第1項第4号)

自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること。

本人と生計を共にする家族が、安定的・継続的に生活できる経済力があるかをチェックされます。本人に収入がなくても、配偶者や親族に収入や資産があればその条件を満たすこととなります。実際には預貯金の多寡ではなく、毎月の収入が重視されます。毎月の収入と支出のバランスがとても重要です。

⑤重国籍防止条件(国籍法第5条第1項第5号)

国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと。

日本国籍を取得する場合、それまでの国籍を喪失することになります。日本では二重国籍を認めていませんので、帰化した場合、母国の国籍を失います。

⑥憲法遵守条件(国籍法第5条第1項第6号)

日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。

日本政府を暴力で破壊することを企てたり、主張するような者、あるいはそのような団体を結成したり、加入しているような場合、日本国籍は与えられません。当然ですよね。

⑦日本語能力

国籍法には明記されていませんが、実際には一定程度の日本語能力が必要です。日常生活に支障のない程度の日本語の会話や読み書きが求められます。目安としては小学校3年生レベルの日本語能力とされています。

まずは相談を

日本で帰化申請するためには、まず帰化条件を満たす必要があります。条件が揃ったら中国本土から本国書類を取り寄せ、日本国内で必要書類を集めましょう。申請から審査結果が出るまでには約1年ほどかかります。事前に帰化条件や必要書類を確認し、計画的に進めていくのが良いでしょう。帰化申請をお考えの方は、ご自身の住居地を管轄する法務局又は地方法務局に相談に行きましょう。申請に不安を覚えたり、より確実に許可を取りたい場合は、帰化を専門に取扱っている行政書士に相談されるのがよいでしょう。当事務所では帰化申請を専門に取扱っております。お客様一人ひとりに合わせたプランをご提示いたします。お気軽にご相談ください。

中国人の帰化申請の注意点

帰化申請をする場合、申請人の住所地を管轄する法務局若しくは支局へ申請することになります。申請を受理されるだけでもかなり苦労されると思いますが、受理された帰化申請も不許可となる場合があります。不許可人数は2018年は670人、2019年は596人、2020年は900人となっており、申請全体の約6~10%となっています。過去と比べて不許可率は上昇傾向にあるので、審査そのものが厳しくなっていると言えるでしょう。不許可と判断されやすい事例を参考に、申請にのぞまれるのが良いでしょう。

不許可と判断されやすい事例

「申請内容に虚偽がある」
不利益な事実を意図的に隠し、判明した場合は不許可となります。また、申請内容に不備があったり、変更があったが報告しない場合も虚偽と判断されてしまう可能性があります。変更点があればすぐに法務局の担当者へ報告をしましょう。

「素行条件に問題」
帰化申請において素行条件は厳しくチェックされます。住民税や年金を納めていなかった場合、不許可と判断される可能性が高まります。また、度重なる交通違反や犯罪歴が判明した場合も不許可リスクは高まります。

「不利益な事象が発生」
帰化申請後、仕事を辞めた、転職をした、離婚した、交通事故を起こしたなど不利益な事象が発生した場合、不許可と判断される可能性があります。帰化申請後も審査対象として継続していますので注意しましょう。

「法務局からの追加書類提出に対応しない」
帰化審査の過程で、法務局から追加書類の提出を依頼されることがあります。その際、対応せずに放置するようなことがあると不許可と判断されます。放置せずに、適時対応をしていきましょう。

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この記事の監修者

本田 太郎行政書士
たろう行政書士事務所 代表

外国人VISA、在留資格を専門に取扱う「申請取次行政書士」

専門分野:配偶者・国際結婚ビザ、外国人就労ビザ、永住申請、帰化申請

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