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興行ビザの許可要件 ~2023年緩和要件を網羅~

興行ビザとは

興行ビザは、演劇、演芸、演奏、スポーツなどの興行の際、海外から外国人アーティスト、俳優、モデル、プロスポーツ選手などを招くためのビザです。

大規模な音楽フェス、イベント、コンサート、小規模なバーやライブハウスでの参加、映画の撮影、プロモーション、テレビ出演、プロスポーツ大会への出場などに必要な在留資格が「興行ビザ」です。このビザはエンターテインメントビザとも呼ばれます。

要件が大幅に緩和されました

元々、興行ビザは要件が厳しく、提出書類も複雑で難易度が高いビザでした。しかし、2023年8月1日から興行ビザの要件の一部が緩和され、長期のコンサートツアーや小規模なライブハウスでの活動が可能になりました。また、イベントの主催者などへの要件も緩和され、今後はより多くの外国人アーティスト等が日本で活動することが期待されています。

興行ビザの種類

2023年8月の法改正により、興行ビザの種類は、活動内容により1号~3号の3つのカテゴリーに分類されました。

・興行ビザ「基準1号」
・興行ビザ「基準2号」
・興行ビザ「基準3号」

興行ビザ「基準1号」

演劇、演芸、歌謡、舞踊又は演奏等、興行活動を行う場合に該当するのが興行ビザ「基準1号」です。興行ビザ「基準1号」は、施設や主催者の要件によって、基準1号「イ」「ロ」「ハ」に分類されており、ビザを取得するためにはいずれかに該当する必要があります。

興行ビザ「基準1号イ」

興行ビザ「基準1号イ」の場合、下記の要件全てに該当する「招へい機関」との契約が必要となります。
ただし、キャバレー、バー、クラブなど接客・飲食をともなう店や、一定以下の照度の店での活動は対象外となおります。(風営法第二条第一項第一号から第三号までに規定する営業を営む施設以外の施設において行われるものであること。)

【基準1号イの要件】
1. 外国人の興行に係る業務について通算して三年以上の経験を有する経営者又は管理者がいること
2. 当該機関の経営者又は常勤の職員が次のいずれにも該当しないこと
(a). 人身取引を行っていないこと
(b). 売春防止法等の罪により刑に処せられていないこと
(c). 暴力団員でないこと等
3. 過去三年間に締結した申請人と本邦の機関との契約に基づいて興行の在留資格をもって在留する外国人に対して支払い義務を負う報酬の全額を支払っていること。
4. 前各号に定めるもののほか、外国人の興行に係る業務を適正に遂行する能力を有するものであること

興行ビザ「基準1号ロ」

興行ビザ「基準1号ロ」の場合、申請人である外国人の活動が、次のいずれかに該当していることが必要となります。

【基準1号「ロ」の要件】
1. 国・地方公共団体等が主催するもの又は学校教育法に規定する学校等において行われるものであること
2. 国、地方公共団体等の資金援助を受けて設立された本邦の公私の機関が主催するものであること
3. 外国を題材にしたテーマパークで敷地面積10万㎡以上の施設で行われるものであること
4. 客席における飲食物の有償提供がなく、客の接待を行わないものであって、客席部分の収容人員100人以上又は非営利の施設で行われるものであること
5. 報酬1日50万円以上であって、30日を超えない期間本邦に在留して行われるものであること

「客席部分の収容人員100人以上」について
客席が設置されていないライブハウス等で、スタンディングで100人以上の規模があれば認められるようになりました。

「客席における飲食物の有償提供」について
バーカウンター等で飲食物を提供する場合であっても、客がバーカウンターにおいて飲食物を受け取り、自ら客席に運んで飲食する場合は、客席において飲食物を提供することには当たらないことになりました。

日本ではバーが設置された100~300名規模のライブハウスが多いため、上記が認められたことで、興行ビザで利用可能な施設が大幅に増えたと言えるでしょう。

「報酬1日50万円以上であって、30日を超えない期間」について
滞在期間が15日から30日に延びたことで、日本での長期間のツアーが可能になりました。

興行ビザ「基準1号ハ」

興行ビザ「基準1号ハ」は、「イ」「ロ」に当てはまらない場合に該当します。次の(1)~(3)のいずれにも該当している必要があります。

(1)申請人の学歴・経歴
申請人である外国人の活動について、次のいずれかに該当していること

1. 外国の教育機関において当該活動に係る科目を二年以上の期間専攻したこと
2. 二年以上の外国における経験を有すること

(2)招へい機関の要件
外国人を呼びよせる招へい機関は、次のいずれにも該当している必要があります。

1. 外国人に対し、20万円以上の報酬を支払うこと
2. 外国人の興行に係る業務について通算して三年以上の経験を有する経営者又は管理者がいること
3. 五名以上の職員を常勤で雇用していること
4. 当該機関の経営者又は常勤の職員が次のいずれにも該当しないこと
(a). 人身取引を行っていないこと
(b). 売春防止法等の罪により刑に処せられていないこと
(c). 暴力団員でないこと等

(3)施設の要件
申請人である外国人の活動が行われる施設が、次のいずれにも該当している必要があります。

1. 不特定かつ多数の客を対象として外国人の興行を行う施設であること
2. キャバレーやスナックなど接客・飲食をともなう店(風俗営業1号)の場合、次のいずれにも該当している必要があります。
(a). 専ら客の接待に従事する従業員が五名以上いること
(b). 興行ビザで活動する外国人が接待するおそれのないこと

3. 13㎡以上の舞台があること
4. 9㎡以上の出演者用の控室があること(演者が5名を超える場合、人数の1名につき1.6㎡を加えた面積)
5. 施設の従業員の数が5名以上であること
6. 施設の経営者又は常勤の職員が次のいずれにも該当しないこと
(a). 人身取引を行っていないこと
(b). 売春防止法等の罪により刑に処せられていないこと
(c). 暴力団員でないこと等

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興行ビザ「基準2号」

興行ビザ「基準2号」は、演劇、演芸、歌謡、舞踊又は演奏の興行以外の興行活動をする場合に該当します。興行としてのスポーツイベントなどが該当します。
日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬が支払われる必要があります。

申請人である外国人の経歴書、招へい機関の概要、施設の概要、申請人との契約書などを提出し、興行の詳細を明らかにする必要があります。

興行ビザ「基準3号」

興行ビザ「基準3号」は、興行に係る活動以外の「芸能活動」をする場合に該当します。申請人は次のいずれかに該当する活動を行うことが出来ます。
また、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬が支払われる必要があります。

1. 商品又は事業の宣伝に係る活動
2. 放送番組(有線放送番組を含む。)又は映画の製作に係る活動
3. 商業用写真の撮影に係る活動
4. 商業用のレコード、ビデオテープその他の記録媒体に録音又は録画を行う活動

この記事の監修者

本田 太郎行政書士
たろう行政書士事務所 代表

外国人VISA、在留資格を専門に取扱う「申請取次行政書士」

専門分野:配偶者・国際結婚ビザ、外国人就労ビザ、永住申請、帰化申請

【運営サイト】
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