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外国人パブ(水商売)で知り合った場合の配偶者ビザ取得

最近、外国人が働く外国人パブ(フィリピンパブやロシアンパブ、チャイナパブなど)やスナック、キャバクラといった水商売のお店で知り合った相手と交際が進み、最終的に結婚を考える方から相談を受けるケースが多く見られます。この場合、多くの方が配偶者ビザへの切り替えを検討することになりますが、水商売で働いている方が配偶者ビザを取得できるかが問題となることがあります。一般的には手続きが難しいと思われがちですが、実際のところはどうなのでしょうか。

この記事では、外国人パブやスナック、キャバクラなど水商売に従事する外国人の方が日本人と結婚し、配偶者ビザを申請する際に発生しやすい問題や、気をつけるべきポイントについて詳しく解説していきます。

外国人パブ(水商売)で働けるビザの種類

外国人パブやスナック、キャバクラなどの水商売のお店(風俗営業店)で働くことが可能なビザは、身分系のビザに限られます。身分系ビザには就労制限がないため、水商売のお店での就業も問題なく可能です。一方、他のビザの場合、資格外活動違反となるリスクがあり、注意が必要です。

身分系ビザは以下のとおりです。

・永住者
・永住者の配偶者
・日本人の配偶者
・定住者

これ以外の在留資格で外国人パブ(水商売)で働いている場合、不法就労となります。

就労ビザの場合の制限

「技術・人文知識・国際業務ビザ」や「興行ビザ」などの就労ビザでは、外国人パブやスナック、キャバクラなどの水商売のお店での接客活動は許可されていません。興行ビザでは水商売のお店の舞台上でのパフォーマンスは可能ですが、接客活動は禁止されています。過去には、興行ビザを利用してフィリピンパブなどで接客する違法行為が社会問題となりました。現在は出入国在留管理局や警察による監視と取り締まりがより厳格になっています。

留学ビザの場合の制約

留学ビザを持つ学生は、資格外活動許可を得ることで週28時間までのアルバイトが許可されますが、風俗営業での労働は禁止されています。したがって、外国人パブやスナック、キャバクラなどの水商売のお店での就業はできません。

配偶者ビザ審査における不利な要因

外国人パブやスナック、キャバクラなどの水商売のお店で働いている場合、配偶者ビザの審査は通常よりも厳しい傾向にあります。特に、結婚の信ぴょう性に関する疑問が生じやすいです。過去には仲介業者を介した偽装結婚が問題視されたこともあり、フィリピンパブなどではこうした事例が多く見受けられました。出入国在留管理局は、結婚が真実のものか、単に日本に居続けるための手段でないか、仕事を続けるためだけでないかという点に注目して審査を行います。

特に、結婚後も水商売のお店で働き続ける場合は、偽装結婚と見なされるリスクが高まります。可能であれば、お店を辞めてから配偶者ビザを申請する方がより適切です。

過去の行動や在留状況の評価

配偶者ビザの審査では、申請者の過去の行動や在留状況が重要な判断基準となります。

1. 在留資格の適切性

前述の通り、風俗営業で働けるのは限られた身分系ビザのみです。他のビザで働いていた場合は「資格外活動違反」となり、配偶者ビザの審査に大きく影響を与えます。

2. 納税義務の履行

外国人パブやキャバクラといった水商売のお店で適切な在留資格で働いている場合、納税などの公的義務をきちんと果たしているかがチェックされます。風俗営業の場では、賃金が現金で日払い(「とっぱらい」)されることも多く、収入の管理が難しいと考えられています。

例えば、月に数十万円の収入があっても、確定申告をせず、所得をゼロとしているケースも見られます。日本の税法を守っていない場合、日本の法律に違反しているとみなされ、在留資格の変更や更新が許可されない可能性があります。当然ですが、前提として外国人だけでなく日本人の配偶者も、所得の申告や納税などの義務を果たしていることが求められます。

配偶者ビザ申請のポイント

外国人パブなど水商売で働く方々が配偶者ビザを申請する際の重要なポイントを説明します。

二人の交際の経緯をしっかり説明する

最も重要なのは、二人の結婚が真実であることを証明することです。出会いの場所が外国人パブやスナック、キャバクラなどの水商売のお店であっても、その後の交際から結婚に至るまでの経緯を詳細に説明することで、偽装結婚でないことを訴えましょう。お二人の写真やSNSでの会話履歴など、関係性を示す資料の提出も有効です。

虚偽の申告はしない

ご自身に不利な状況であっても虚偽の申告はやめましょう。虚偽が発覚した場合、在留資格の取得申請に不利となる上に、今後の申請にも影響が出る可能性があります。

就労ビザなど、身分系ビザ以外の在留資格で働いていた場合、すぐにお店を辞め、なぜ働いていたかの事情をしっかり説明しましょう。その上で今後このようなことが無いように反省を述べることも重要です。

また、確定申告など収入の申告をしていなければきちんと遡って修正申告をしましょう。税金をしっかり支払ってから申請することが大切です。

場合によっては一旦帰国する

場合によっては一旦本国へ帰国し、新規の申請として日本に呼び寄せることも検討しましょう。特にオーバーステイなど、違反や犯罪歴がある場合は一定期間入国できなくなります。一旦帰国し、一定期間が経過した後、申請しましょう。

よくある質問

最後に、外国人パブ(水商売)で知り合った場合における配偶者ビザの取得について、多くいただく質問と回答をまとめました。

水商売で知り合った外国人がオーバーステイだった場合でも、配偶者ビザは取得できる?

在留期限を過ぎて日本に滞在している外国人は不法滞在者とみなされます。警察や出入国在留管理局に摘発されると収容され、強制退去の手続きが進められます。

オーバーステイ中の外国人と夜のお店などで知り合い結婚に至った場合、警察や出入国在留管理局による摘発を避けるために、出入国在留管理局に夫婦で出頭し、在留特別許可を申請するのが一般的です。これが認められると、配偶者ビザ(「日本人の配偶者等」)が付与されることになります。

許可を得るためには、同居による実体のある婚姻関係(期間が長いほど望ましい)や日本人配偶者の安定した収入、周囲の理解と支援などが必要です。申請には事情説明書や証拠資料を準備し、場合によっては300ページ以上の書類が求められます。

なお、当然ながら偽装結婚と判断されると許可は下りません。もし在留特別許可が認められない場合、本人は強制送還となり、原則5年間は日本への入国が禁止されます。

配偶者ビザの取得後も水商売を継続できる?

結婚後も外国人配偶者が外国人パブやスナック、キャバクラなどの水商売のお店で働き続ける場合、出入国在留管理局から結婚の信頼性に疑念を持たれる可能性があり、審査上で不利に扱われることがあります。

日本人の配偶者に与えられる在留資格には就労の制限はありませんが、出入国在留管理局は「真摯で実質的な婚姻関係であれば、一般的に配偶者が水商売を継続することを望まないだろう」と考えがちです。そのため、配偶者ビザを目的にホステスとしての仕事を続ける意図があると疑われやすくなるという見方が取られています。

以上の理由から、配偶者ビザ取得後も水商売の継続を考えている場合、審査で不利になる可能性があります。とはいえ、出入国在留管理局から結婚の信ぴょう性があると認められる場合には、配偶者ビザ取得後の水商売の継続も可能です。

まとめ

この記事では、外国人パブやスナック、キャバクラなどの水商売に従事する方々が配偶者ビザを取得する際のポイントについて解説しています。身分系ビザを持っていれば水商売での勤務は可能ですが、その他のビザでは資格外活動となるため注意が必要です。

配偶者ビザの審査では、特に結婚の信ぴょう性や納税状況が重視されるため、申請時には関係の経緯を具体的に説明し、正確な申告が求められます。場合によっては一度帰国し、再申請する選択も検討するとよいでしょう。

出入国在留管理局の審査は、法令や内部規定に基づいて厳正に行われています。配偶者ビザの申請を得意とする行政書士事務所に依頼すれば、これらの規定に沿った書類作成により許可率が上がる傾向にあります。

たろう行政書士事務所では、申請者それぞれの状況に合わせた書類を準備し、配偶者ビザの許可取得の可能性を最大限に引き上げますので、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

本田 太郎行政書士
たろう行政書士事務所 代表

外国人VISA、在留資格を専門に取扱う「申請取次行政書士」

専門分野:配偶者・国際結婚ビザ、外国人就労ビザ、永住申請、帰化申請

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