配偶者ビザの取得に日本語能力は必要?許可の確率を上げるポイントを解説
配偶者ビザの申請が不許可となる原因の一つに、外国人配偶者と日本人配偶者との間で十分なコミュニケーションが取れていないと判断されることがあります。夫婦間でコミュニケーションが十分に取れないと、日本での安定的な生活に疑いをもたれるからです。
また、結婚の信ぴょう性にも疑いが向けられ、結果として偽装結婚を疑われることもあります。このように、お互いのコミュニケーション能力を示せないことは、配偶者ビザの不許可のリスクが高まります。
一方で、外国人配偶者の日本語能力については、配偶者ビザを取得するうえで求められません。ただし、その場合には日本人配偶者が外国人配偶者の母国語等を理解している必要があります。
本記事では、配偶者ビザ(在留資格:日本人の配偶者等)を申請する際に知っておきたい外国人配偶者の日本語能力や、夫婦のコミュニケーション能力について解説します。
目次
配偶者ビザの取得に日本語能力は必要か
冒頭でお伝えしたとおり、配偶者ビザの申請において、外国人配偶者の日本語能力は必須ではありません。外国人配偶者が日本語を話せなくても、夫婦間でしっかりとコミュニケーションが取れているならば、問題なく配偶者ビザを取得することが可能です。
もちろん、外国人配偶者が日本語を話せると、コミュニケーションはよりスムーズに進むでしょう。しかし、日本人配偶者が外国人配偶者の母国語等を理解している場合は、特に問題はありません。
夫婦の使用する言語は配偶者ビザの重要な審査対象
出入国在留管理局(入管)も「夫婦間のコミュニケーション」を数値化することはできません。そこで、配偶者ビザ申請の審査にあたって、入管は「質問書」という書類の中の項目で夫婦の日常会話で使われる言語について問うことで、どうにか2人のコミュニケーションを可視化しようとしています。
それだけ、夫婦が普段コミュニケーションを取るための言語は重要と思われています。実際に問われる質問についてみていきます。
夫婦が日常使用している言語
質問書では、夫婦が日常的に使用している言語について確認します。日本語、英語、配偶者の母国語など、具体的に記入します。
お互いの母国語の理解度
次に、夫婦それぞれがお互いの母国語をどれくらい理解しているかを記入します。以下の4つの選択肢から選びます。
□難しい=通訳が必要
□筆談・あいさつ程度
□日常会話程度は可能
□会話に支障がない
外国人配偶者が日本語を理解しているか、日本人配偶者がパートナーの母国語を理解していれば、コミュニケーションが円滑であると判断され、結婚の信ぴょう性を高める要素となるでしょう。
日本語を勉強した方法も聞かれます
外国人配偶者が日本語を理解している場合、どのように日本語を勉強したのか答えます。「大学で日本語を専攻した」「日本の漫画やアニメが好きで覚えていった」「アプリを使用して勉強している」など、具体的に答えましょう。
お互いの言葉が通じない時の対処方法は
お互いの言葉が通じない時の対処方法についても質問されます。断然多い回答は翻訳アプリを使用することでしょう。「わかりやすい単語を使う」や「辞書を使う」という方もいらっしゃいます。
配偶者ビザの許可の確率を上げるポイント
入管への質問書の提出でもわかるように、夫婦間の意思疎通が不足していると、配偶者ビザの申請が不許可となるリスクが高まります。お互いのコミュニケーション手段としての言語は、日本での生活の安定や夫婦関係の健全さを示すための重要なツールとなるからです。
本章では、日本語能力・夫婦のコミュニケーションが原因で配偶者ビザが不許可にならないようにするためのポイントを解説します。
資料提出通知書に適切に対応する
審査の過程で、入管からコミュニケーション方法について詳しく説明を求められることがあります。特に、申請を自分で行った場合によくある事例です。
具体的には、申請者に「資料提出通知書」が届き、その中で入管が要求する追加情報や質問が一覧で示されています。申請者はそれに基づいて回答書を作成し、返送することになります。
主な質問内容は以下のようなものです。
● どの程度意思疎通ができているのか?
● どのレベルを超えると意思疎通が難しくなるのか?
● 会話が困難な場合、どのように対処しているのか?
これらの質問に具体的に答え、夫婦間の会話に問題がないことを間接的に伝える必要があります。
日本語能力試験に合格していることをアピールする
外国人配偶者が日本語能力試験(JLPT)などの公的な試験に合格していれば、証明書を提出しましょう。これにより、日本語能力を具体的に示すことができ、信憑性を持たせることが可能となります。
お互いの母国語でなく、英語で会話をするという夫婦もいらっしゃいます。お互いがどのように英語を学んだかを説明することで、夫婦間のコミュニケーションに問題がないことをアピールしましょう。
SNSでの会話などを提出する
日常のやり取りとして、SNSでの会話履歴を提出することも有効な手段となります。これは、日常的にコミュニケーションが取れていることを直接証明し、お互いのコミュニケーション能力を具体的にアピールすることができます。
現在学習中であることをアピールする
現在日本語を勉強中であればアピールしましょう。日本語学校に通っているなど、言語能力の向上に対する意欲と努力を見せることは、日本での生活への準備と本気度を示す材料となります。
来日後に学ぶことをアピールする
配偶者ビザを取得した後に、日本国内の日本語学校や自治体が主催するボランティア教室などに通って日本語を学ぶ予定がある場合は、その学校名や教室名、所在地を「理由書」に具体的に記載することをおすすめします。
申請書類に記載がないと、入管の審査官はその情報が存在しないものとして判断してしまいます。配偶者ビザの許可率を上げるには、できる限り積極的にアピールしていきましょう。
交際・結婚の期間や実際に会った回数をアピールする
翻訳機や翻訳アプリに頼ってコミュニケーションを取っている場合でも、状況によっては配偶者ビザを取得できる可能性があります。しかし、翻訳機や翻訳アプリに依存していると、入管から「本当に意思疎通ができているのか?」という疑問を持たれることがあります。
このような場合に配偶者ビザを取得するためには、交際や結婚の期間、実際に会っている回数など、夫婦関係が深いことをしっかりアピールすることが重要です。
まとめ
配偶者ビザ申請にあたり、夫婦間のコミュニケーション能力は重要な審査項目となります。これは、日本での生活の安定性と結婚の信ぴょう性を裏付ける重要な要素であり、直接審査にも影響してきます。不許可リスクを避けるために、お互いの語学力を示したり、SNSでの日常の会話履歴を提出したりなど、コミュニケーション能力に問題がないことを示すことが重要です。
申請に対して不安や心配がある方は、専門家のサポートを受けることで、スムーズかつ適切な申請が可能となります。たろう行政書士事務所では、そのような専門的なアドバイスを提供し、皆さんが円滑にビザ申請を進められるようサポートします。お気軽にご相談ください。
この記事の監修者
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たろう行政書士事務所 代表
外国人VISA、在留資格を専門に取扱う「申請取次行政書士」
専門分野:配偶者・国際結婚ビザ、外国人就労ビザ、永住申請、帰化申請
【運営サイト】
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